ドン・キホーテの高層ホテルが渋谷にできる。

高さ130m、28階建てのタワーホテルが渋谷に建設される。完成年は不明だが、着工予定は2019年1月。開業はオリンピックに間に合わないかもしれない。
建築主はなんと、ドン・キホーテホールディングス。まだホールディングスの公式HPには、ニュースリリースされていないが、建設予定地には建築計画の公示看板が張り出されている。

メインの敷地は、百軒店の奥というか、道玄坂小路(地元通称、平成女学院小路)の台湾料理店「麗郷」の裏の坂を上がった高台。アニメ「バケモノの子」で熊徹の家があったあたり。周辺の土地も含めて一体開発される予定。

敷地面積5,737㎡、延床面積41,800㎡、28階建てと、周辺のラブホや雑居ビルを圧倒する規模の開発。延床面積がマークシティのエクセルホテル東急(408室、25階建て)の倍あるから、余裕で渋谷最大級のホテルが建設可能。

渋谷駅周辺では延床面積数十万㎡の大規模開発が進んでいるが、ラッキーなことに大規模なホテルは建設されない。渋谷駅南区(渋谷川沿い)の開発の中で、180室のホテルが計画されているだけ。渋谷のホテル計画は、他にもあるが、数十室程度の小規模な計画が4つ(公園通り、並木橋、北谷公園、神泉)で、中規模なものが宮下公園の200室級ホテルだけ。将来的にも、セルリアンタワー東急ホテル(411室)が、渋谷最大のホテルの地位をキープする予定だったのだが、メガ・ドンキホテルがそれを上回るかもしれない。

ドン・キホーテはすでにホテル関連事業には参入済みで、東京と大阪に宿泊・物販一体型のホテルを開業している。(ホテルの事業形態や土地建物所有などは未確認。)インバウンド需要の取り込みという点で、ホテル事業とはダイレクトなシナジーがあるので、当然の事業戦略とは思うが、渋谷には今年メガドンキが開店したところなので、物販一体型というよりも宿泊がメインになるのでは。先行2ホテル(客室数196室、172室)の倍以上の規模の開発計画にドン・キホーテの気合を感じるが、まだ報知しないのは、なぜだろう?(ニトリの渋谷店出店も、ニュースリリースより、入居ビルの改装工事標識の方が先だった。。。)開業時期を見極めようとしているところなのかもしれない。

ところで、渋谷ドン・キホーテホテルの建設予定地が、これまた曰く因縁のある場所だったりする。
バブル期まで、そこには木造の旅館「聚楽」が立っていた。バブル末期頃には、閉店して駐車場になってしまったが、その後、四半世紀に渡り何も建設される気配がなかった。見晴らしのよい高台なので、ビルを建てれば渋谷の夜景が楽しめるだろうと思ったが、裏通り(それもラブホや風俗店が軒を連ねている)にしか接していないのが、難点だった(ラブホ以外の用途を思いつかなかった、、、)。

3年ほど前、渋谷区の都市整備課の人から聚楽跡地の開発が動き出すと聞いたが、その頃にはドン・キホーテが開発する意向が区に表明されていたのだろう。そういえば、ヤマダ電機裏口前の雑居ビルが更地になったのも、そのころだった。旧ドン・キホーテ渋谷店のビルも取り壊されて、ホテル開発の敷地になるようだ。旧渋谷店の裏には、渋谷店の事務所兼倉庫だったビルもあり、そこも敷地になる。もしかすると、渋谷店出店時から「聚楽」跡地買収を見据えていたのかもしれない。東急本店通りまで一体の敷地にして開発できるなら、「聚楽」跡地は渋谷の中では、なかなか他にない好立地だったし。

こうなると、ホテル事業者(運営)がどこになるのかが気になるところだけど、外資の高級ホテルじゃない方が嬉しい。松濤の高級住宅街と道玄坂の風俗街が隣接しているという極端な狭域多様性は、世界的に見てもレアな渋谷の特性だと思うので、MEGAドン・キホーテ的な無国籍なカオス感のあるホテルになることを期待してます。

その後、入ってきた地元情報によると、28階高層ビルの11階より上がホテルになり、中低層部はオフィスと商業施設にする計画だそうだ。単純に計算すると客室数400室ぐらいのホテルになりそう。
ホテルは、渋谷には少ないビジネスホテルクラスを考えているらしい。去年、キャットストリート付近に開業したTRUNK HOTELはスタンダートツインで1泊4万円台後半、今年、公園通りに開業するhotel koeも3万円台後半と、比較的高め設定。どちらのホテルも結婚式ニーズ狙いなので、メガドンキホテルと直接の競合はなさそう。