渋天街の入り口が見つからない。

「バケモノの子」を見た。渋谷のスクランブル交差点が舞台なので、ここはやはり渋東に見に行った。アニメのストーリーの方は、んーーー、テレビシリーズ24話でやった方がよかったかなーーー、というラーゼフォンとは真逆の感想。
それはさてさておきおき、地元民としては、渋谷のどこが出てくるかに、目が行ってしまう。うちのカミさんは、「あー、エクセシオールの前だねー」みたいな感じで、表通りで繰り広げられる場面は、どこだかだいたいわかったようだ。
 
片や、渋谷の暗黒面を経巡る者としては、やっぱり路地裏が気になってしまった。
冒頭、主人公の少年が、街を彷徨い疲れ果てて、路地の片隅にしゃがみこんでしまう。そこで、小さなかわいいバケモノに出会うのだが、瞬時にどこかわかってしまった。かつて、ハーブ屋さんがあった、あの小汚い路地裏だ。
実際に通ったことのある人なら、あんな場所に子供がしゃがみこんだりしねーだろっ、と突っ込みたくなるだろう。なにせ、しゃがんだ場所は居酒屋の裏で、煤と油で汚れている。その上、あそこは、別名センター街の男子便所と呼ばれるぐらい立小便が多い。常にアンモニア臭で溢れている。少年は、街をうろつくうちに風邪をひいていて鼻が詰まっているという裏設定だったのかも。

他にも、少年がしゃがみこんでいる場面があった。
大きいバケモノに初めて出会うシーン。夜になって彼は、駐輪場の自転車の間に体育座りしていた。そこに例の大きいのが通りかかるのだが、あそこは、JRの高架下、246のアンダーパス脇の通路。道路側が駐輪場になっていて、反対側の壁際は、ホームレスの人達の寝室が並んでいる。右側にそれらしき寝室といっても、寝床をダンボールやブルーシートで囲っただけなんだが。(映画でも、右側にブルーシートらしきものが描かれていた。)
あの通路は、昼も薄暗く、壁はグラフティだらけで、ある意味、渋谷アンダーグラウンド空間の典型なのだけど、夜中なら百鬼夜行も通るかもしれない雰囲気なのは確か。




でも、一番気になったのは、バケモノの街、渋天街への入り口。
建物と建物の隙間、人ひとりがようやく通り抜けられるぐらい狭い。映画では、スクランブル交差点に面している設定だった(ように見えた)。しかし、スクランブル交差点には、そんな隙間はない。あの辺は、建物と建物がびっちりくっついていて、広くても幅30cmぐらいしかない。
手がかりは、右側の建物の壁がレンガタイル貼りということぐらい。んで、交差点に面していないところも含めて、それらしい隙間を探したが、今のところ発見できない。

渋天街の方からスクランブル交差点に抜けるときの、パイプが何本も水平に走っているような隙間は、渋谷中にあるんだけどな。

 ↓ 雰囲気が似てる隙間


今回は、アニメの聖地巡礼になってしまった。。。