spider web on Shibuya

渋谷でダーク・ツーリズム。

聖地巡礼のフィールドを渋谷にしたのは、かれこれ四半世紀も渋谷をうろついているからということなんだけれど、改めて考えてみると、渋谷はそういうフィールドにとても似合っている。なんというか、渋谷そのものが一つの巨大なダークスポットというか、渋谷駅を中心にしたダークエリアのような気がする。
 
地形からして渋谷駅を谷底にした巨大な蟻地獄のようだし、川や水路も渋谷駅を目指して集まって来る。「渋谷」という地名自体も何か湿っぽい感じがする。もちろん東京で湿っぽいのは渋谷だけではないけれど。池袋には巨大な池があったし、新宿は淀橋浄水場があった。でも渋谷が一番、谷底な感じがする。
 
怪しげな場所でみると、新宿の歌舞伎町や百人町、池袋駅の北西方面や区役所周辺もあるが、渋谷にも円山町とか、渋谷川と東急東横線の間とか、ないことはない。毛色はそれぞれ違うが、怪しげな雰囲気を醸していると思う。ま、夜っぽさでは、新宿の独り勝ちだけれど、女子比率では渋谷ダントツかと。池袋が喪女の街だとすると、新宿は悪ビッチ系、渋谷は良ビッチ系のイメージ。それはダークエリアとは直接関係ないか。
 
池袋にせよ、新宿にせよ、渋谷にしてもどの街も、江戸時代には江戸のはずれにある場末の街だった。今は、どの街も何となく着飾って恰好つけているけれど、いまだにそこはかと場末の雰囲気を残している気がする。